参加・ネットワーク・フローを通じて探るデジタル・クリエイティビティ
MUTEK.JP Pro Conference 初日では、協働的・ネットワーク的・参加型の創造性が進化する現在の潮流に焦点を当てます。Day 1ではケベック州の先駆的なデジタル・エコシステムから日本の革新的なスタジオまでが参加し、アーティスト、研究者、文化機関がどのように共有システムやフィジカルな関わり、国境を越えたコラボレーションを通じてデジタルアートの未来を形づくっているかを探ります。この日のセッションでは、イマーシヴな体験、オンチェーンの実験、そしてテクノロジー・社会・芸術実践が交わる“流動的な知性”をテーマに議論を展開します。
Pro Conference 概要
- 日程: 2025年11月20日(木)– 21日(金)
- 会場: 渋谷ヒカリエ Hikarie Hall B
- 時間: 開場 11:00 / 開始 11:30 / 終了 17:30
- 入場: 無料(事前登録制)
Day 1 プログラム
11:30–12:15 (英語) — ケベックのデジタル・クリエイティビティ:業界関係者と出会う
2000年に初開催されたMUTEKを生み出したケベックの先進的なデジタル・クリエイティビティ・エコシステムは、現在も発展を続けています。本セッションでは、アーティスト、スタジオ、プレゼンター、ディストリビューター、文化施設が連携しながらデジタル表現の最前線を切り拓く、ダイナミックなシーンの全体像をテンポよく紹介します。
参加者:
- Mikaël Frascadore – Agence Consors
- Charlie Leroy & Sébastien Samyn – Après Minuit
- Camilio Vides Pérez – Couzin Studio
- Coline Niess – Museum of Civilization
- Daniel Boisclair – paysages studio
- Myriam Achard – PHI
- Rory Seydel – PHI Studio
- Charles Stéphane Roy – Scintilla
- Véronique Paradis – Society for Arts and Technology
- Amélie Barrette & Laurence Wells – Independent Artists
- James Benjamin – Breakglass Studios
- Charlie Luo & Sora Andrews – AFK Break
- Mikaël Frascadore – Agence Consors
モデレーター :
Sandra Felteau, Advisor, Development & International Partnerships, Xn Québec
Alain Mongeau, Founder & Artistic Director, MUTEK Montréal
12:30–13:15 (英語) — 参加型の未来:フィジカルな体験からテクノロジーを再考する
本セッションでは、デジタルツールがどのように身体的で場所に即した体験へと変換され、観客の参加や社会的なつながりを促すかを探ります。発表者は、コミュニティとのプロトタイピング、マルチセンサリーな体験設計、アクセシビリティ、持続可能なパブリック向けプロジェクトの手法などを紹介します。
登壇者:
Normand-Pierre Bilodeau (Producer, Head of Tokyo Office, Moment Factory)
Daniel Boisclair (Co-Founder & Creative Producer, paysages studio)
Mikaël Frascadore (Executive Producer, MUTEK Village Numérique)
Véronique Paradis (Chief Innovation Officer, SAT)
モデレーター :
- Claudine Hubert (MUTEK)
13:30–14:15 (英語) — オンチェーン、ネットワーク化、知性
2025年、アートはハイブリッドなエコシステムの中で展開されています。オンチェーンツールは成熟しつつあるもののまだ完全ではなく、物理的な展示も依然として重要な役割を果たしています。成功の鍵は、デジタル上での存在感と現実世界での体験をいかに結びつけるかにあり、アーティストたちはオーサーシップ(作家性)、AIとの協働、ネットワーク化された文化の中で活動しています。
登壇者:
Saeko Ehara (Artist)
Masako Shiba (Co-founder & Executive Director, BEAF)
John Provencher (Artist)
SunJeong Hwang (Artist)
モデレーター:
- Benoit Palop (MUTEK.JP, Digital Culture Producer)
14:30-15:15(英語)— 構想から現実へ:アート、テクノロジー、物語が融合する未来 — EXPO 2025での体験型空間の革新
アートとテクノロジーがどのように融合し、世界的な展示会で没入型体験を創出しているのかを探ります。EXPO 2025で紹介される革新的な事例を中心に、パナソニック プロジェクター&ディスプレイ、電通ラボ、ShowTex、REDCLIFFが、プロジェクション、インタラクティブメディア、デザイン戦略についての洞察を共有し、体験型空間の未来を形作る方法を語ります。
登壇者:
- 田中 直基(Dentsu Lab Tokyo、Chief Creative Officer)
- Jan Blomme(Showtex Asia、Managing Director)
- 馬 明(株式会社レッドクリフ、マーケティングチーム)
モデレーター:
- Paul Boyland(パナソニック プロジェクター&ディスプレイ株式会社、Business Development Team Manager)
15:30–16:15 (日本語) — 攻殻機動隊展 全アニメシリーズ横断
『攻殻機動隊』が描いた“未来”は実現したか――。本セッションでは、アニメ制作30周年記念大規模展覧会の裏側にある革新的な取り組みを紹介します。本展覧会では「電脳 VISION 体験チケット」を使い、草薙素子のグラスをイメージしたARデバイスを通じて、タチコマの案内でサイバー化された作品の世界を巡るイマーシヴな鑑賞体験の創造に挑戦しています。
登壇者:
- 桑名 功(森ビル(株) 新領域事業部、TOKYO NODE運営室、Creative Director)
- 笹 大地 (株式会社講談社 ライツ・メディアビジネス本部「攻殻機動隊」プロデューサー)
- 砂原 哲(KDDI株式会社 事業創造本部 エキスパート)
- 松山 周平(株式会社enigma)
展覧会詳細:
【公式】攻殻機動隊展・全アニメシリーズ横断|TOKYO NODE開催
会期:2026年1月30日(金) ー 2026年4月5日(日)
会場:TOKYO NODE GALLERY A/B/C
オフィシャルサイト:https://www.tokyonode.jp/sp/ex...
16:30–17:15 (英語) — スペシャルトーク & Q&A: Alva Noto (Carsten Nicolai)
タイトル: Copy and / against Duplication – Xerroxシリーズ(2007–2024)における複製の解体
Carsten Nicolai ( カールステン・ニコライ)は、2007年にアルバム『Xerrox Vol.1』を発表し、昨年リリースされた『Vol.5』をもってシリーズの完結を告げました。この作品群は、創造行為の根源的な側面を示すものであり、そこにはアーティストの急進的な思考と実践的アプローチが明確に表れています。本トークでは、創造行為とアーティスト自身の知覚との切り離せない関係に焦点を当てます。トークの後には、京都西陣織の老舗HOSOOとのコラボレーションによる新作《Wave Weave》(2025)を上映します。音と織物の融合の視点から制作されたオーディオビジュアル作品で、スペクトグラムによる視覚的スコアを織物の柄として織り込んでいく様が、織物工房の風景や織機の細部を撮影した映像によって展開されます。
モデレーター :
- 澤度英一(音楽家)
17:15 -17:45 : 特別上映会
《Wave Weave》(2025, 22 min)
https://www.hosoogallery.jp/exhibitions/wave-weave/
協力:株式会社HOSOO COLLECTIVE

本カンファレンスは、
ご協賛: 株式会社TRIAD | 株式会社MAWARI | 東急株式会社 | 攻殻機動隊展 Ghost in the Shell 製作委員会 | パナソニック プロジェクター&ディスプレイ株式会社
補 助: 令和7年度 日本博2.0事業(独立行政法人日本芸術文化振興会/文化庁)
以上の多大なるご支援を賜り、開催しております。
L’Effet Québecは、Xn QuébecのイニシアチブでMUTEK Montréal および MUTEK.JPと連携し、デジタルクリエイティビティに取り組むスタジオプロデューサー、クリエイター、放送局、ディストリビューター、文化施設によるケベック代表団を組織し、第10回 MUTEK.JP 2025 に参加します。本代表団は、SODEC および Canada Media Fund の財政支援を受け、在日ケベック州政府事務所(DGQT)の協力のもと実施されます。

2025年 11月 20日, 木曜日
19:00_23:00