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アーティスト

Saeko Ehara & Shuta YasukochiJP

Saeko Ehara & Shuta Yasukochi<sup>JP</sup>
Saeko Ehara & Shuta YasukochiJP

Saeko Eharaは、東京を拠点に活動する「キラキラ」をテーマとしたアーティスト/VJ。彼女の作品は一貫してキラキラした質感や世界観を中心に展開されている。近年はAIやジェネラティブアートを組み合わせた表現にも取り組み、様々な手法で「キラキラ」の新しい姿を探求している。

彼女のインスピレーションの源は、子どもの頃の記憶やそのとき感じた喜びにある。絵を描くことや、好きなアニメのキラキラしたカード、ステッカー、おもちゃ、アクリルの宝石、小さなガラス細工、花の図鑑などを集めるのが大好きで、夢中になりすぎて時間を忘れるほどだった。彼女は作品を通して、「世界をもっとキラキラで満たしたい」と願っている。

Shuta Yasukochi は、東京を拠点に活動するサウンドアーティスト。エレクトリックギターを加工したサウンドを中心に、モジュラーシンセサイザー、カセットレコーダー、オルゴール、グロッケンシュピール、コンタクトマイク、フィールドレコーディングなどを組み合わせ、アンビエントを中心とした音楽を制作している。

これまで、ARCHIVES(スペイン)、Rohs! Records(イタリア)、Vaagner(ドイツ)、PURRE GOOHN(日本)などからオリジナルアルバムをリリース。さらに、世界中のアーティストとのコラボレーション、リミックス、コンピレーション作品にも多数参加している。また、+A+ 2022(日本)、Noor Riyadh 2022(サウジアラビア)、Taif Rose Festival 2023(サウジアラビア)、「mmersive Museum Tokyo 2023(日本)、Vivid Sydney 2024(オーストラリア)など、国内外の展示作品における音楽制作にも携わっている。


Saeko Ehara & Shuta Yasukochi - Daily Scape

「Daily Scape」は、シリーズ作品「Daily Narratives」と「Collectible Scape」を組み合わせて生まれた作品です。「Daily Narratives」が“日常の観察と対話”をテーマにしているのに対し、「Collectible Scape」は“消えゆく風景の記録と保存”を探求しています。この2つの視点を交差させることで、日常に潜む時間の流れ、記憶の層、そして生成と消失の循環を可視化することを試みています。 「Daily Narratives」では、日常生活の断片をスマートフォンで撮影し、ComfyUI(Stable Diffusionをノードベースで操作できるAIツール)で再生成、さらにTouchDesigner(ビジュアルコーディング用のノードベースソフトウェア)でジェネレーティブなアニメーションへと変換しています。

AIによって形を変える風景は、私自身の生活でありながら、誰かの記憶へと溶け合っていきます。ChatGPTとの対話を契機に生まれた本作は、人間とAI、個人と他者のあいだに生まれる新たな対話のかたちを提示しています。一方、「Collectible Scape」は、失われつつある日常の風景や遺物を3Dスキャンし、デジタルアートとして再構築するシリーズです。遊具、井戸、公衆電話、焼却炉、路傍の花など、見過ごされがちなものをデータとして保存し、TouchDesignerで新たな生命を与えています。禅の「飛花落葉」の思想を背景に、命あるものも無機質なものも同様に変化と消失の運命を辿ることを描いています。

「Daily Scape」は、変化し続ける日常の中で、観察・記録・再生のあいだに生まれる“もうひとつの風景”を探る試みです。そこには、記憶を再生成し、過去と現在、そして未来をつなぐためのデジタルの記録装置としてのアートの可能性が込められています。