Edition 7
国境を超えた人の往来がようやく日本でも回復した2022年度のエディションは、2年ぶりに国外からもアーティストや専門家を招聘し、いわば国際的な視点でキュレートされた多様なアーティストによる芸術表現の体験、デジタルクリエイティブに関する知見や洞察を探求する場を提供し、そこで生まれたリアルな人々との対話や喜びを分かち合うという、私たちの理想とする一つフェスティバル形態に立ち返ることができました。
東京・渋谷を中心舞台に5日間にわたるフェスティバル、2日間のカンファレンスを全8会場で開催し、パンデミック中でもフィジカルイベントとして開催できた2020年、2021年度のエディションと比べ、規模は拡大しました。実験的エレクトロニックミュージック、オーディオビジュアル、AIとクリエイティビティ、メディアアート、マルチディシプリナリーなアプローチがテーマとして混在した日ごとのプログラムは、サウンド、芸術性、ヴァイブスのどの面においても、すばらしく圧倒的な瞬間があり、フェスティバル全体としてユニークな旅路をお届けすることができたのではと思います。会場には熱心にパフォーマンスを鑑賞するタイプの方からダンス好きまで様々な観客が訪れ、インバウンドの影響も見受けられました。
例年通り、未知なる体験の見所として、世界プレミア上演、日本初公演、アーティスト同士の初コラボレーション、オープンコールで採択された新進アーティストによるプロジェクトペースのパフォーマンスなどが今年もありました。MUTEK.JPレギュラーアーティストによるアップデートされたプレイもハイライトの一つです。フェスとしての新たな挑戦といえば、結果的にとても好評だった新しいヴェニューの使用とVRエキシビションの開催、ブランドや大学、企業と提携したワークショップの拡大、そしてがXR、AI、メタバースなどをテーマに、ユニークな有識者による興味深いトークが展開されたカンファレンスイベントの開催でした。課題としては、観客にもっと配慮した会場の空間作り、会場の大きさと集客数のバランス、若い層へのアプローチなどが今回の開催で明らかに。
最後に、昨年に引き続き文化庁委託事業「令和3年度戦略的芸術文化創造推進事業」として開催できたことは、これまでの活動が行政に認められ受け入れられた一つの結果として、当団体の発展の機会につながりました。
数字でみるEdition 7
- 6日間、東京の8会場で開催
- 全体集客数: 4,584名
- 7つの音楽プログラムで、30組のパフォーマンスを展開
- 1つのエキシビションで、5つのデジタルアート作品を展示
- 5つのワークショップを開催
- 12のトークプログラムを展開
- 日本の地元アーティスト26人、国外アーティスト21人が参加
- 日本の地元専門家19人、国外専門家11人が参加
- 参加アーティストのうち、女性36%、男性62%、ノンバイナリー2%
- 参加登壇者のうち、女性40%、男性60%
- 18のパートナー企業、行政、文化機関より支援
以下はEdition 7のアフタームービー。画像をタップしてご覧ください ↓